【1月20日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)は19日、来月開催される平昌冬季五輪への参加資格を得られるロシア選手の登録リストを500人から389人に削ったことを発表した。IOCは先月、組織的なドーピング違反で同国の平昌五輪への出場を禁止したが、クリーンな選手に関しては厳しい条件と中立旗の下での参加を認めている。

 五輪参加が認められるロシア選手の選定を行う独立審査パネルの勧告を受け、IOCは声明で「現時点において、最初に予備登録された500選手のうちすでに111選手が除外された。残りの選手については、大会前の検査や過去に採取された検体の再検査などの厳しい条件が必要である。これらの条件を満たしたアスリートのみが、五輪への招待を考慮される」と述べると、登録リストに残っている「選手の80パーセント以上」については、ドーピングの規模がピークに達した2014年のソチ冬季五輪には出場していないこともつけ加えた。

 ソチ五輪でのドーピング違反により五輪を永久追放処分となった42人のロシア選手は、そのうち39人が来週スイス・ジュネーブのスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴する準備を進めているが、今回の登録リストには一人も含まれていない。パネルはまた、51人のコーチと10人の医療スタッフについても、来月9日から25日まで開催される平昌五輪への招待は不可能であると判断した。

 パネル責任者でフランスの元スポーツ相でもあるバレリー・フルネロン(Valerie Fourneyron)氏は、「それぞれのアスリートは全員が匿名で審査され、すべての結論はパネルの総意に基づくものである」とすると、「このリストを作成することは簡単ではなかった。しかし、ロシアはクリーンな選手のみが冬季五輪に招かれるということを確実に保証したかった」と述べた。

 平昌五輪に参加できるロシア選手の最終リストは、今月27日に平昌で開かれる選手団の登録に関する会議が終わるまで公表されないことになっている。

 ロシアはソチ五輪のメダル獲得数でトップの33個を記録していたが、世界反ドーピング機関(WADA)の独立調査委員会によって数年間にわたる大規模なドーピングの証拠が発覚し、そのうち13個を失っている。(c)AFP