■アレン監督作への出演を後悔する俳優たち

 ハリウッドの女優たちによるセクハラ被害者への連帯を示す運動「タイムズ・アップ(Time's Up)」を受け、ディランさんは米CBSテレビの朝のニュース番組「ディス・モーニング(This Morning)」で初めてテレビ局のインタビューに応じ、「ずっと無視され、信じてもらえず、脇に追いやられてきた私が怒りを覚えていけない理由はどこにあるのでしょう?」と話し、「私にできることは真実を話すこと。話を聞くだけではなく、誰か私の話を信じてくれる人がいることを強く望みます」と訴えた。

 一連の報道以来、レベッカ・ホール(Rebecca Hall)さん、エレン・ペイジ(Ellen Page)さん、ミラ・ソルヴィノ(Mira Sorvino)さん、グレタ・ガーウィグ(Greta Gerwig)さんといった女優らが、アレン監督と仕事をしたことを後悔しているとの考えを表明している。

 ソルヴィノさんは先週、米ニュースサイト「ハフィントンポスト(Huffington Post)」でディランさんに対する公開書簡を発表し、「私たちはあらゆることを見直さなければならない時代に生きている。こうした虐待をこれ以上許してはいけない。それによって古神たちが倒れるなら、それも仕方ない」と書いた。オスカー女優のナタリー・ポートマン(Natalie Portman)さんも有名女性司会者のオプラ・ウィンフリー(Oprah Winfrey)氏のインタビューに「私はディランさんを信じる」と語っている。

 一方、米NBCのコメディー番組「サタデー・ナイト・ライブ(Saturday Night Live)」で披露したドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の物まねが好評だった俳優のアレック・ボールドウィン(Alec Baldwin)さんは、アレン監督を擁護している数少ない一人だ。ボールドウィンさんは小児性愛や性的暴力の犠牲者に寄り添いながら、アレン監督を無実だと信じることはできるはずと述べている。