【2月2日 AFP】米映画監督ウディ・アレン(Woody Allen)さん(78)が、女優ミア・ファロー(Mia Farrow)さんと交際していた時期に養子に迎えられたディラン・ファロー(Dylan Farrow)さん(28)が1日、子どもの頃に養父のアレンさんから受けた性的虐待についての書簡を初めて公開した。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)のブログで公開された書簡によると、ディランさんは虐待された当時7歳だった。アレンさんはディランさんに腹ばいになって兄弟のおもちゃの電車で遊ぶように告げ、「この時わたしを性的に襲った」としている。

 書簡によると、虐待の最中、アレンさんはディランさんに「いい子」だから秘密にするようささやき、「パリに行って映画の主役にしてあげる」と約束したという。

 ディランさんに対するアレンさんの虐待疑惑は約20年前、1992年にファローさんと破局した後に明るみになったものの、裏付けられていない。アレンさんは以前から一貫して虐待を否定しており、疑惑が最初に明るみになった際には、ファローさんが子どもの親権争いの一環でねつ造したと主張した。

 アレンさんは破局前から、ファローさんが前夫と結婚していた時期に養子に迎えたスンイー・プレビン(Soon-Yi Previn)さんと交際を始めていた。94年の親権裁判で、ニューヨークの裁判所判事は虐待があったとの結論を見送る一方、「自己陶酔しており信用できず、無神経」だとしてアレンさんを厳しく批判した。

 ディランさんは、ハリウッドの権力者らがアレンさんの映画を高く評価することで、彼の児童虐待疑惑を隠蔽していると非難。アレンさんの最新作『ブルージャスミン(Blue Jasmine)』は、来月授賞式が行われる米アカデミー賞(Academy Awards)でオリジナル脚本賞を含む3部門にノミネートされている。

 ニューヨーク・タイムズは、アレンさんがディランさんの書簡についてコメントを避けたと伝えた。(c)AFP