【1月15日 AFP】反欧州連合(EU)、反移民を掲げる英国独立党(UKIP)のヘンリー・ボルトン(Henry Bolton)党首(54)の恋人で党員の女性(25)が、ヘンリー王子(Prince Harry)の婚約者メーガン・マークル(Meghan Markle)さんについて、「英王室の血を汚す」などと人種差別的な内容のメッセージを送っていたことが分かった。同党首は女性を懲戒処分にしたが、党内からも辞任を求める声が上がっている。

 女性はジョー・マーニー(Jo Marney)さん。大衆紙メール・オン・サンデー(Mail on Sunday)によると、友人に送ったメールで、今年5月にヘンリー王子と結婚することになっている混血の米国人女優マークルさんを、彼女の「種」が「私たちの王室の血を汚すことになる」と中傷。「次はムスリム(イスラム教徒)の首相が登場する。そして黒人の国王も」などとも書いていた。

 昨年9月にUKIPの党首に選ばれたボルトン氏は、メールの内容が暴露されたことを受け、マーニーさんを党員資格停止の処分に付したと明らかにした。

 しかし、他党議員はマーニーさんを党から追放すべきだったと批判。欧州議会(European Parliament)のUKIP議員も「経験の浅い」ボルトン氏が「静かに去る」機会だと引責辞任を要求した。

 マーニーさんは声明で、送信した内容について「伝えたいことを強調したいあまり、話をわざと誇張した」ため、文脈にそぐわないものになってしまったと釈明。周りの気分を害したことは完全に認めるとしている。

 UKIPでは、ナイジェル・ファラージ(Nigel Farage)氏がEUからの離脱の是非を問う2016年の国民投票での離脱派勝利に貢献した後に辞任。その後さらに2人が党首を辞任し、ボルトン氏が就任した。(c)AFP