【1月12日 AFP】エクアドルのマリア・フェルナンダ・エスピノサ(Maria Fernanda Espinosa)外相は11日、内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」の創設者、ジュリアン・アサンジ(Julian Assange)氏(46、オーストラリア国籍)に対し、エクアドルの市民権を与えたと発表した。

 アサンジ氏は2012年、スウェーデン当局による性的暴行容疑での逮捕を避けるため、英ロンドンのエクアドル大使館に身を寄せた。スウェーデンは昨年、捜査を打ち切ったが、英警察は、アサンジ氏が保釈条件に違反した後に裁判所への出頭を拒んだとして、同氏を逮捕する意向を表明。同氏は依然として同大使館に滞在している。

 エスピノサ外相はエクアドルの首都キトで行った記者会見で、アサンジ氏は先月12日にエクアドル市民となったと発表。先月20日には同氏を外交官として認めるよう英国に要請したが、翌日に却下されたと説明した。

 エクアドルは、アサンジ氏を自国の外交官とすることで、逮捕の恐れなしに大使館から退去させようとしたものとみられる。エスピノサ外相は「英国との現在の良好な関係」を理由に、この問題についてさらなる要求をしない意向を示した。

 英外務省はアサンジ氏の外交官認定を拒否したとする声明を発表。「エクアドルは、ジュリアン・アサンジを大使館から退去させ、裁判を受けさせることがこの問題を解決する方法だと分かっている」と表明している。

 エスピノサ外相は9日、エクアドル政府は現在のこう着状態の解消を目指し、「第三国または個人」による介入の可能性を検討していると述べていた。(c)AFP