【12月30日 AFP】中国外務省の華春瑩(Hua Chunying)報道官は29日、北朝鮮への石油供給が不正に行われていることを中国が黙認しているとしたドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の批判をめぐり、「この状況に関する一連の報道は事実と一致しない」と述べ、疑惑を否定した。

 トランプ氏はこの前日、ツイッター(Twitter)を通じて「現場を押さえた。北朝鮮に石油が送られるのを中国が許していることに非常に失望した」と述べ、「これが続けば北朝鮮問題で友好的な解決などありえない!」と強調。中国の姿勢を批判した。

 韓国の朝鮮日報(Chosun Ilbo)は今週、複数の同国政府筋の話として、10月以降、中国の船舶が北朝鮮の船舶に数十回にわたり石油を売却しているのを米国の衛星が発見したと報じていた。

 しかし華報道官は、中国船が北朝鮮の船舶に石油を移し替えていたという報道について調査したものの、8月以降に「該当の中国船が中国の港に寄港した記録はなく」、不正確であることが分かったと反論。「メディアを通して無意味なでっち上げをすることは、相互の信頼や協力の強化にはつながらない」と述べた。

 同報道官は、中国政府が自国民や自国企業が国連の制裁決議に違反するようないかなる活動への関与も許していないことも強調している。

 国連は北朝鮮の核・ミサイル開発を中止させるため、幾度にもわたり制裁を科しており、中国もこうした動きを支持しているが、北朝鮮の予測不可能な政権崩壊を懸念し、中国が厳格に制裁を履行していないと批判する声も上がっている。(c)AFP