【12月28日 AFP】ドーピング問題で国際オリンピック委員会(IOC)から永久追放処分を受けたロシアのビタリー・ムトコ(Vitaly Mutko)副首相が27日、2018年夏に行われるサッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)の組織委員会会長から退くと発表した。

 ロシアの複数の通信社によると、ムトコ副首相は「(組織委員長の)アレクセイ・ソローキン(Alexei Sorokin)が会長になる。きょうから彼が組織委員会のトップだ」と話した。45歳のソローキン氏は、2008年から2010年までロシアサッカー連合(RFS)の執行役員を務め、2009年からはW杯の招致にも携わった。

「国際サッカー連盟(FIFA)とのやり取りは彼が行い、私は政府の仕事に集中する。仕事はまだ山積みだが、すべての準備が期限内に整うと確信している。5月30日には、政府がFIFAに対して行った約束をすべて果たせるものと期待している」

 副首相は2日前の25日、五輪永久追放への異議をスポーツ仲裁裁判所(CAS)へ申し立てるため、RFSの会長職をいったん離れると明かしていたが、W杯の準備については、国が別の決定を下さない限り今の役割にとどまると話していた。しかしその後、こちらも同氏が議長を務める政府内のW杯調整評議会が会合を持ち、退任が決まった。

 組織委員会は国営タス通信(TASS)を通じて声明を発表し、「リーダーシップの変更がW杯の準備過程に影響することはない。(ムトコ氏は)今後も副首相として各地の準備状況の監督、必要なインフラの整備に向けた調整を続ける」と話している。

 またこれと併せて、ムトコ副首相はCASへの申し立てを行ったことを明かした。副首相は5日、IOCから、国家ぐるみの薬物違反に関与したため五輪に携わることを永久に禁止する処分を下されていた。(c)AFP