【12月26日 AFPBB News】羽子板やしめ飾りなどの正月用品から、衣料品や日用雑貨などの掘り出し物まで──。東京・東日本橋の「薬研堀不動院(Yakugenbori Fudoin)」周辺で26日から28日まで、師走の風物詩「納めの歳の市」と「大出庫市(おおでこいち)」が開かれている。ちょうちんの飾りが施された会場には、約60の露店がずらりと立ち並び、チンドン屋の囃子(はやし)が鳴り響く中、多くの買い物客でにぎわった。

 江戸時代から続く「歳の市」は、東京では神田明神(Kanda Myojin)や湯島天満宮(Yushima Tenmangu)などを巡り、その最後を薬研堀不動尊が飾る。戦後、さびれゆく市ににぎわいを取り戻そうと、問屋の日用品セール「大出庫市」も同時に開催するように。今では、毎年約2万人が訪れるという。

「今は何でもインターネットで買える時代。でも、人と触れ合いながら、掛け合って買い物をする楽しみがあった。それが少しでも残っていれば」と歳の市保存会の渡辺秀次(Hidetsugu Watanabe)さん。近所に住んでいるが、訪れるのは今年が初めてという後安裕子(Yuko Goan)さん(43)は、しめ飾りと松飾りを購入。「すごく青々としていてきれい。(市の様子も)にぎやかで、いかにも年の瀬という感じ」と笑顔を見せた。(c)AFPBB News