【12月17日 AFP】エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領は16日、フランソワ1世(King Francois I、1494~1547)ゆかりの古城で、自身の誕生日を前倒しで祝った。マクロン氏の会場選択は「国民から切り離されている」ことを示す事例だとして、一部から批判の声が上がっている。

 仏紙ヌーベル・レピュブリック(La Nouvelle Republique)によると、21日に40歳になるマクロン氏は、ブリジット(Brigitte Macron)夫人や親族とともに、ロワール渓谷(Loire Valley)にあるシャンボール城(Chateau de Chambord)で週末を過ごしている。パリの南西約200キロに位置する同城は、おとぎ話に出てくるような正面の構造、小さな塔が連なる屋根、広大な敷地面積が特徴で、ロワール渓谷の古城の中でもルネッサンス建築の最高傑作として知名度が高い。

 現地報道によると、マクロン氏と親族らは広い敷地内に建てられた貸別荘の一軒に宿泊し、440室ある城の部屋の一つで16日夜に誕生日パーティーを開く予定だという。シャンボール城には4つ星級のゲストハウスが数軒あり、週末に借りる場合の料金は800~1000ユーロ(約11万〜13万円)。エリゼ宮(Elysee Palace、大統領府)は、滞在費はマクロン氏夫妻が自己負担すると説明した。

 マクロン氏がこうした場所を選んだことに対し一部の政治家は苦言を呈した。右派のニコラ・デュポンエニャン(Nicolas Dupont-Aignan)氏はツイッター(Twitter)に「国民が税金や治安悪化、移民に頭を痛めている一方、マクロンは40歳の誕生日をシャンボールで祝っている」と書き込み、「時代は変わるが、寡頭制(少数の人間が支配権を握っている政治形態)は国民から切り離されたままだ」と批判した。(c)AFP