【12月14日 AFP】昨年の米大統領選へのロシア介入疑惑の捜査に関わっていた米連邦捜査局(FBI)のエリート捜査官が、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領を「ばか」などと批判するメッセージを交わしていたことが、メディア報道によって明らかになった。共和党議員らは13日、司法省に対し、FBI内部の偏向を調査する新たな独立検察官を指名するよう求めた。

 問題となっているメッセージは、FBIのピーター・ストロック(Peter Strzok)捜査官が、不倫関係にあったFBIの弁護士リサ・ペイジ(Lisa Page)氏と交わしたもの。これを知ったロバート・モラー(Robert Mueller)特別検察官は今年7月、ストロック捜査官をロシア疑惑の捜査班から外したと報じられている。

 2人のメッセージは数百件におよび、その大半が昨年の大統領選挙中に交わされていた。その中でストロック捜査官はトランプ氏を「ばか者」や「くそったれ」と呼び、対するペイジ氏も「この人に大統領は無理」と述べていた。

 共和党議員らは、このやり取りはモラー特別検察官が進める捜査の信頼性を損なうものと主張。下院司法委員会の公聴会で、ボブ・グッドラット(Bob Goodlatte)委員長(共和党)はロッド・ローゼンスタイン(Rod Rosenstein)司法副長官に対し「法の公正な裁定者という司法省の評判に疑問が投げかけられている」と述べた。

 共和党議員らはさらに、他の司法省職員やモラー氏の捜査班メンバーにも、民主党の大統領候補だったヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏とのつながりなどの偏向があった証拠が新たに浮上したと指摘し、同氏の捜査が公正に実施され得ないことを示すものだと主張している。

 一方、ローゼンスタイン副長官は公聴会で、個々の問題はあったものの、いずれも適正に処理されたと強調。モラー特別検察官の捜査が政治的影響を受けているとの見方を否定した。(c)AFP