■ロシアのアイロニー

 外国人であろうがロシア人であろうが、多くが20代かもっと若い層であるため、直接に旧ソビエトを経験したことのある「Sputnik」の顧客はほぼいない。「ロシアや旧ソビエトで育っていなくても、ロシア風のアイロニーやユーモア、皮肉を理解する人はいる」とOskolkov-Tsentsiperは話す。

 ロシアのスタイルを世界に広めた一人として、ウラジオストク出身で国際的に需要のあるスタイリスト、ロッタ・ヴォルコヴァ(Lotta Volkova)の名を彼は挙げる。

 また、モスクワの中心部にあるバー兼セレクトショップ「Denis Simachev」では、新興財閥のロマン・アブラモビッチ(Roman Abramovich)の顔と、ロシア語のスローガン「私の幸せはあなたの成功次第」が描かれた85ドル(約9600円)のTシャツが売られている。

 イベント会社「Why Not」の共同創立者Zhenya Popovaによると、今ではモスクワの人は欧米の都市に住んでいる人たちよりもオシャレだという。「皆一つのブランドだけを着ることは辞めた」のだと地元ブランド「Studio Nebo」のグリーンのパンツとイタリアのレーベル「No.21」のジャケットを身にまとったPopovaは話す。「皆『今「シャネル(CHANEL)」を着たらクールだ』と考えなくなった。もっとコンテンポラリーな服を着るようになって、いろいろミックスしだした。大量生産されたものとデザイナーものを合わせるようになった」

AFPのインタビューに応じる、ロシアのストリートスタイルショップ「Cordered」デザイナー、アレクサンダー・セリファノーブ(2017年11月3日撮影)。(c)AFP/Yuri KADOBNOV

■欧米レーベルとのタイアップ

 しかしロシアのストリートスタイルショップである「Cordered」のデザイナー、アレクサンダー・セリファノーブ(Alexander Selipanov)は、ロシアが欧米のスタイルに与える影響よりも、その逆のほうがいまだ強いのだと話す。

 ラブチンスキーが2016年に日本の「コム デ ギャルソン(Comme des Garcons)」とコラボレーションした時のように、発表国際的に有名になるためにロシア人デザイナーは海外ブランドとタッグを組むのだという。

「ラブチンスキーのおかげで欧米の人々はロシアで起こっていることに興味を持っている」セリファノーブは語った。「彼らが興味を持っている間に素早くなにかを成し遂げなけれいけない。コンタクトを図り、波に乗らなければ」(c)AFP/Theo MERZ