【12月2日 AFP】2018年サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)のグループリーグ組み合わせ抽選会が1日、ロシア・モスクワで行われ、クリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)擁するポルトガルはスペインと同組となり、イングランドは優勝候補の一角ベルギーとしのぎを削ることとなった。

 2010年のW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)王者で、現在はフレン・ロペテギ(Julen Lopetegui)監督の下で再建中のスペインは、近年成績が振るわずポッド1に入ることができなかったため、トップシードの国はスペインとの同組は避けたいと考えていた。

 ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領や国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)会長らが出席し、大統領府クレムリン(Kremlin)で華々しく開催された抽選会の結果、グループリーグで2016年の欧州選手権(UEFA Euro 2016)王者のポルトガルとスペインとのイベリア半島ダービーが実現することとなった。

 スペインとポルトガルとのグループリーグ屈指の対戦は、大会序盤の来年6月15日に黒海(Black Sea)沿岸のリゾート地ソチ(Sochi)で行われる。

 ロペテギ監督はスペインのテレビ局クアトロ(Cuatro)に対し、「彼らは欧州チャンピオンだ。最高クラスの素晴らしい選手がそろっている」と警戒感を示した。

 レアル・マドリード(Real Madrid)に所属するロナウドは、33歳で迎える今大会がW杯制覇の最後のチャンスになるものと思われている。

 抽選の結果、決勝までのトーナメントの行方も見えてきた。順当に行けば準々決勝ではスペインとアルゼンチンとの対戦が見込まれ、準決勝はスペイン対ドイツ、フランス対ブラジルとなる可能性が高い。

■メッシ対アイスランド

 2014年W杯ブラジル大会(2014 World Cup)王者のドイツ、ネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)らビッグネームがそろう優勝候補のブラジル、そしてフランスは抽選結果に胸をなで下ろしているかもしれないが、アルゼンチンはより警戒が必要なグループに入った。

 前回大会の決勝でドイツに敗れた悔しさを晴らしたいリオネル・メッシ(Lionel Messi)擁するアルゼンチンは、グループDでクロアチア、ナイジェリア、大会初出場のアイスランドと同組となった。大会期間中に31歳になるメッシも、今大会がW杯のトロフィーを掲げる最後の機会になるかもしれない。

 苦しみながら予選を勝ち抜いたアルゼンチンのホルヘ・サンパオリ(Jorge Sampaoli)監督は、「世界最高の選手がいることに甘んじていてはいけない。われわれは機能的なチームである必要がある」と話している。

 グループFでメキシコ、スウェーデン、韓国との対戦が決まったドイツは、1962年のブラジル以来となるW杯連覇を目指している。ドイツを率いるヨアヒム・レーブ(Joachim Loew)監督は、独公共放送のZDFに対し「私はまったく恐れていない」と強気のコメントを残している。

 母国開催となった前回大会の準決勝でドイツに1-7で敗れる屈辱を喫したブラジルは、グループEでスイス、コスタリカ、セルビアと戦う。

 また、組み合わせ抽選に強いと目されていたディディエ・デシャン(Didier Deschamps)監督率いるフランスは、グループCでオーストラリア、ペルー、デンマークと同組となった。

■イングランド監督「油断はできない」

 抽選会の司会は、元イングランド代表のストライカーでテレビ司会者に転身したギャリー・リネカー(Gary Lineker)氏が務めた。抽選のアシスタントの一人は、1986年大会でリネカー氏もプレーしたイングランドを「神の手」により葬り去ったディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)氏だったが、イングランドはマラドーナ氏の手によってベルギー、チュニジア、大会初出場のパナマと同組のグループGに入ったため、2位以内に入るのは比較的容易だと思われている。

 しかし、イングランドを率いるギャレス・サウスゲイト(Gareth Southgate)監督は、近年の主要国際大会での成績を考えると油断することはできないと語った。

 イングランドはグループリーグを首位通過しなければ、その後はドイツやスペインとの対戦となる可能性が高いため、サウスゲイト監督は「われわれはこれまで有力視されながらも敗れてきた。すべての試合に備えていかなければならない」と気を引き締めた。

 グループHの日本は、ロベルト・レワンドフスキ(Robert Lewandowski)がエースのポーランド、サディオ・マネ(Sadio Mane)を擁するセネガル、そしてコロンビアと同組となったため、2位以内に入る道のりには困難が待ち受けている。

 大会は11都市12会場で行われる。ロシア対サウジアラビアの開幕戦は、6月14日にモスクワのルジニキ・スタジアム(Luzhniki Stadium)で開催され、同スタジアムでは7月15日に決勝も行われる。(c)AFP/Alexandre FEDORETS, Dmitry ZAKS, Andy SCOTT