【6月30日 AFP】男子テニスでグラスコートを席巻したロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)と、赤土の王者と呼ばれるラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)が2007年、グラスコートとクレーコートをミックスした特製コートで1回限りのエキシビションマッチ「バトル・オブ・サーフェス(Battle of Surfaces)」で対戦したことがあった。

 試合が行われたのはナダルの故郷マヨルカ(Mallorca)島のパルマ(Palma)。コートには整備責任者のアンドレウ・プイグセルベル(Andreu Puigserver)氏の監督の下、半面に1500キログラムの伝統の赤土、もう半面には400平方メートルの芝が敷かれ、半分がサーブアンドボレー、半分がストローク戦に向いたコートが120万ユーロ(約1億4500万円)をかけて用意された。

 試合はマヨルカ島の観光業の起爆剤として開催されたもので、男子テニスの頂点に立つ2人の一度限りの対戦ということもあり、強風が吹く悪コンディションの中でも会場には満員となる6800人の観客が詰めかけた。試合前の確認段階で芝の一部に問題が見つかり、張り替えを要するアクシデントはあったが、無事に開催の運びとなった。

 マヨルカ島出身の赤土の王ナダルは、当時はクレー72連勝中で、試合の1週間前のモンテカルロ・マスターズ(Monte-Carlo Rolex Masters 2007)、さらに前年の全仏オープンテニス(French Open 2006)でもフェデラーを退けていたが、芝ではまだ優勝したことがなかった。

 一方で芝の実績はフェデラーが上回り、ナダルを退けた前年大会を含めてウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)4連覇中。また芝では48連勝中だった。ところがすでに四大大会(グランドスラム)10勝を挙げるフェデラーも、当時はまだ全仏のタイトルと無縁だった。

 序盤、コートチェンジのたびにシューズを履き替える混合サーフェスに特に戸惑ったのはフェデラーの方で、ナダルがまずはクレーコートからの自身のゲームをキープしたのに対し、フェデラーは芝からのサービスゲームを落としてゲームカウントを1-3とする。そこから逆襲して3ゲームを奪い、いったんはイーブンに持ち込んだが、ナダルもギアをさらに上げ、最後は芝からのフェデラーのサービスをラブゲームでブレークしてまずは1セットを7-5で先取した。

 続く第2セットは、最初のクレーからのナダルのサービスゲームをフェデラーがブレークすると、そのままゲームカウント4-2とセットを優位に進める。ナダルも続く芝からのサービスゲーム、クレーの第9ゲームをキープして持ちこたえたが、結局はフェデラーが第2セットを6-4で奪取。セットカウント1-1に戻し、勝負は最終第3セットに持ち込まれた。

 この頃になると、2人とも異例の試合環境に順応し始めていて、両者ともにサービスキープが続く。そして第12ゲームでも重圧の中でフェデラーがキープし、試合はタイブレーク決着にもつれ込んだ。

 迎えたタイブレークでは、最初の6ポイントが相性の良くない芝でのプレーとなったナダルが、本領を発揮できずにカウント2-4と追いかける展開となったが、得意の赤土へのコートチェンジを契機に躍動感を取り戻して反撃。マッチポイントをダブルフォルトで逃す場面もあったが、最後は12-10でフェデラーを退け、2時間半の試合を制して地元の観客の前で歓喜の瞬間を迎えた。(c)AFP