地球温暖化対策のプランB:気候を操作する7つの方法
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■海洋の肥沃化
海洋の微小な植物プランクトンはCO2を吸収し、死ぬとそのまま海底に沈む。
植物プランクトンのコロニー(群体)の大きさは鉄濃度によって限定されるが、海洋に硫酸鉄粉を散布する実験では、より大きなコロニーの形成を確認している。
デメリット:科学者らはこれについても予期せぬ影響を懸念している。例えば、プランクトンの死滅(分解)によって酸素が大量に消費され、海洋に大規模な「デッドゾーン(酸欠海域)」が生じる恐れある。デッドゾーンはすでに増えている。
■風化の促進
化学的なプロセスである岩石の自然風化は、毎年、大気から約10億トンのCO2を除去している。これは、人工的なCO2排出量の約2%にあたる。人工的にこのプロセスを加速するのはどうだろうか。
実験では、カンラン石と呼ばれる緑がかった鉄ケイ酸塩の粉末を海洋や熱帯地域といった特定の場所に散布し、自然風化と同様の効果を確認している。
デメリット:風化の促進は迅速に拡大できるだろうが、効果を生むのに十分な量のカンラン石を採掘・加工するには多大な費用がかかることが予想される。
■バイオ炭
バイオ炭とは、稲わらや落花生の殻、木の廃材といった生物資源を低酸素の状態でじっくり熱を加え作られる炭化物。バイオ炭は長期にわたってCO2を貯留できる他、土壌を肥沃にする効果もあるとされている。
デメリット:この方法がどのくらい迅速に拡大できるのかや、「肥やし」としてのバイオ炭の安定性については、現在も科学的な判断は下されていない。