【11月17日 AFP】チェコの警察当局は16日、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)で2度の優勝経験を誇る女子テニスのペトラ・クビトバ(Petra Kvitova、チェコ)が何者かによって刃物で刺された昨年12月の事件について、捜査を打ち切ったと発表した。

 捜査関係者はこの日、報道陣に対して「捜査を延長したが、きょうまでに犯人を特定することはできなかった」「2017年11月8日に捜査を打ち切ったが、もし新事実を発見したり、犯人を特定できたりした場合は、ただちに手続きを開始する」とコメントした。

 クビトバは昨年12月、チェコ東部プロスチェヨフ(Prostejov)の自宅で刃物を持って押し入った強盗と格闘した際に利き手の左手を負傷。選手生命を脅かされた。医師からは指を切断しなくてはならないかもとの厳しい予想もあったが、27歳の元世界2位は5月の全仏オープンテニス(French Open 2017)で競技にカムバックした。

 復帰後はウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2017)の前哨戦エイゴン・クラシック(AEGON Classic Birmingham 2017)を制すと、その後の全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2017)ではベスト8に入り、世界ランクは昨季終了時の11位から落としたものの、一年を29位で終えている。

 国別対抗戦フェドカップ(Fed Cup)を5度制した実績を誇るクビトバは、事件について「過去のもの」と繰り返し発言しており、広報担当者も16日、「彼女は前を向いており、去年の事件を振り返ることはない」とチェコ通信(CTK)に語っている。(c)AFP