■鉄道各社も協力

「双11」商戦は、物流網の発展をも促している。広州鉄路集団(Guangzhou Railway Group)は、商戦に備え、Eコマースや配送各社と連携し、11~20日の期間、高速鉄道での運送業務を担う列車を臨時に投入した。広東省(Guangdong)広州市(Guangzhou)、深セン市(Shenzhen)などから北京市(Beijing)、上海市(Shanghai)などを結んだ。

 業界関係者は、「日増しに高速化と市場化を進める鉄道運送は、物流業界のコストを削減できるだけでなく、物流市場の役割分担を最適化し、中国の現代物流発展の版図に変化をもたらしている」と話す。

 また、中国最速の時速350キロを誇る「復興号」も物流網の発展に一役買っている。復興号を運行する中鉄快運(China Railway Express)と物流の順豊エクスプレス(SF Express)との協力で、北京・上海間を荷物の受け取りから配達まで含めて10時間で商品を運ぶ「超高速配達便」を、「双11」商戦に合わせて開始した。両都市間で最速の速達便だ。

 車内には荷物を置く専用スペースが無いため、復興号の16車両のうち2車両を荷物専用スペースとし、運ぶ荷物の受領や寸法にも制限を設けた。今後、鉄道部は顧客のニーズに合わせて列車の本数や、別の目的地への便を増やしていくという。

「双11」商戦が過熱する中、政府も対応に追われた。郵政局は7年前から、郵政管理システムによる繁忙期対策を行っている。「双11」の前後には、中国の郵政全体で約300万人を増員するなどして、処理能力を普段の3~5割増しに増強した。ビッグデータ分析ツールを利用し、データ予測、運搬量の監視・測定などをリアルタイムで実施し、特に注文が集中する企業や、混雑しているルートを計算に基づき警告するなどして調整した。