【11月14日 東方新報】中国初のプロレス団体が近く、日本へ初めて上陸する。記者は中国駐在歴10年以上の「格闘技・プロレス好き」だが、知る限り「スポーツ大国」と呼ばれる中国にも野球など不毛とされるスポーツがいくつか存在する。その一つがプロレスだ。特に、現在の中国はスポーツビジネスが極めて少ない。そんな中、5年前から中国で展開されているプロレス興行がじわじわと人気を集めている。中国人レスラーだけで構成された中国初のプロレス団体「東方英雄伝」が11月16日、東京・後楽園で初興行を迎える。

 スポーツ大国の中国でも、スポーツ選手に引退後の「働き口」が少ないという課題を抱えている。スポーツビジネスが定着していないからだ。その一方で、中国は少林寺やカンフーといった武術映画が人気で、格闘技そのものを見る土壌がある。また、野球やサッカーなどは子どもの頃から経験を積んできた人は多いが、プロレスにはほぼそれがない。むしろ、現役レスラーの多くがほかのスポーツ出身だ。「経験がなくてもできるプロスポーツ」であり、年齢がある程度若ければ、選手としてのキャリアを始めるのが遅すぎるということがないのだ。

 中国のプロスポーツにおいては、バスケットボールとサッカーが、政府が特に力を入れている種目だ。サッカーは、各クラブチームが破格の契約金で世界のスター選手たちを獲得していることから世界的にも注目されている。バスケットボールでは、米国NBAを代表するスターとなった中国人プロ選手・姚明(Yao Ming)の存在が、中国でのバスケットボール人気に火を付けた。