【11月10日 AFP】ドイツで致死量の薬剤を注射して入院患者らを殺害した罪で2015年に終身刑を受け収監された元看護師の男が、100人以上の患者の殺害に関与していたことが分かった。警察が9日、発表した。

 ニールス・ヘーゲル(Niels Hoegel)受刑者(41)は、同国北部ブレーメン(Bremen)近郊に位置するデルメンホルスト(Delmenhorst)の病院で集中治療を受けていた患者らに対する殺人罪2件および殺人未遂罪あるいは傷害罪4件で2015年に有罪判決を受けていた。

 しかしその後、患者遺体の掘り起こしと分析が行われた結果、他にも多数の犠牲者がいる証拠が集まった。警察は8月、ヘーゲル受刑者が少なくともさらに90人の患者を殺害したと発表。その際に警察の捜査員は、被害者がこれほど多い事件はドイツ現代史上、他に例がないと語っていた。

 警察と検察は9日、ヘーゲル受刑者がさらに16人を殺害したことを確認したと発表。これにより同受刑者は1999年から2005年の間に勤務した2つの病院で、合わせて少なくとも106人の患者を殺害したことになる。警察と検察は、来年の早い時期に同受刑者を新たに起訴するとの見通しを示した。

 さらに5件の事件の毒物の分析が進められている他、トルコで埋葬された元患者3人の遺体の掘り起こしも計画されている。

 ヘーゲル受刑者は、心不全や循環虚脱を引き起こす薬剤を患者らに注射した後、同僚らの前で「救い手」として目立つべく蘇生を試みたことを認めている。同受刑者は、患者が息を吹き返せば幸福感が得られ、失敗すると挫折感を覚えたと供述していた。(c)AFP