【11月8日 AFP】任期満了に伴う米ニューヨーク市長選は7日、投開票が行われ、民主党候補で現職のビル・デブラシオ(Bill de Blasio)市長が再選を果たした。ニューヨーク市では伝統的に民主党が強いが、同党の現職市長が再選されるのは32年ぶり。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)によると、開票率90%の段階でデブラシオ氏の得票率は、65.5%。次点となった共和党のニューヨーク州下院議員、ニコル・マリオタキス(Nicole Malliotakis)氏の28.7%に圧倒的な差をつけた。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の大統領就任以降、デブラシオ氏はトランプ政権の掲げる移民制限や医療保険制度改革法(通称オバマケア、Obamacare)の撤回、富裕層への減税といった一連の政策に反対する急先鋒として、声高に異議を唱えてきた。

 トランプ氏はニューヨーク市マンハッタンに数々の不動産を所有しているが、昨年の米大統領選では同市の有権者のおよそ80%が、ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏に投票した。今回の市長選の結果は、反トランプ派のデブラシオ氏の姿勢を市民が明確に支持したものと捉えられている。

 デブラシオ氏はブルックリンで開かれた勝利集会に姿を現し「今夜、ニューヨーク市はホワイトハウスへメッセージを送った」「私たちのメッセージはこうだ。『大統領、あなたはニューヨークの価値観に挑んで勝つことはできない。もしも生まれ故郷の街の価値観に背を向けるのならば、あなたの故郷は反撃に転じることだろう』」と述べて喝采を浴びた。(c)AFP/Jennie MATTHEW