【11月5日 AFP】17-18スペイン1部リーグは4日、第11節の試合が行われ、FCバルセロナ(FC Barcelona)は2-1でセビージャFC(Sevilla FC)に勝利。本拠地カンプ・ノウ(Camp Nou)にカタルーニャ(Catalonia)自治州の政治混乱の影響が見える中、パコ・アルカセル(Paco Alcacer)の2得点で勝利を収めて開幕からの好調を維持した。

 中央政府が自治州政府の閣僚8人を罷免し、反逆の罪で訴追することも考慮して勾留命令を出す中、この日のカンプ・ノウでは巨大なカタルーニャ州の旗と、英語とカタルーニャ語で「正義」と書かれた横断幕が掲げられた。欧州最大のスタジアムには、90分を通して「自由」の大合唱が響き渡り、バルセロナのゴール裏には「政治犯の釈放を」と書かれた紙や「恥を知れ欧州」と書かれた横断幕もあった。

 しかし、ピッチ外の騒動がチームを後押ししているようだと先日冗談を飛ばしていたバルセロナのエルネスト・バルベルデ(Ernesto Valverde)監督は、この日も冷静な姿勢で「騒動を騒動と感じていないことをチームは示している。観客がカンプ・ノウを訪れるのは、平和的に自分を表現し、チームをサポートするためだ。われわれは彼らのためにプレーする」とコメントした。

 リーグ開幕戦以来となる先発メンバーに抜てきされ、2得点の活躍をみせたアルカセルは、beINスポーツ(beIN Sports Spain)で「監督からもらったチャンスを生かさなくてはならない。僕のプレーどうこうより、チーム全体を見る視点を持たないと。今後も難しい試合が続くし、そのことの方が大事だ」と話した。

 リーグ戦11試合で10勝目を挙げたバルセロナは、5日にラス・パルマス(UD Las Palmas)戦を控えるレアル・マドリード(Real Madrid)との勝ち点差を暫定で11に広げた。

 バルベルデ監督は「首位に立ち、勝ち点を落とさずに代表戦による中断期間に入れるのはうれしい。その後は厳しい日程が待っている。追走するライバルも強力だし、このまま強さを保って首位を維持しなくてはならない」と述べた。(c)AFP/Kieran CANNING