【10月31日 AFP】中国で14歳のロシア人モデルがファッションショー出演後に急死し、過労死だったのではないかとの疑いが浮上している問題に関連し、モデルが所属していた中国の事務所は31日、ファッション業界では世界的に幼いルックスのモデルが求められていると明かした。

 27日に病院で亡くなったブラダ・ジュバ(Vlada Dzyuba)さんは、上海ファッションウィーク(Shanghai Fashion Week)に出演するなど、仕事で中国に2か月滞在していたが、その間に低賃金で重労働を課されていたとの疑惑が浮上。事務所に対しては、14歳の少女を親の付き添いもなく同国で働かせていたことについて、激しい非難が浴びせられている。

 ジュバさんが所属していた事務所「ESEEモデルマネジメント(ESEE Model Management)」は、ジュバさんが過酷なスケジュールで働かされていたとの疑惑を強く否定。

 だがその一方、AFPの取材に応じたESEEの代表は、この業界では世界的に若い人がもてはやされるトレンドが加速化しており、実際にジュバさんはこれまでにマネジメントしたモデルの中で一番若かったと話した。

 同代表は「インターネット時代には消費者がどんどん若年化しているため、ブランド側は常に、ますます若いルックスのモデルを求めている」と指摘。「ファッションブランドは高校生や大学生といった、若い消費者層をターゲットにしている」と述べた。

 同代表はまた、ジュバさんの死がきっかけとなって国内法が改正されると考えているとしながらも、それまではより若い容姿の少女がますます求められるとの見解を示し、童顔のモデルが人気を集める日本を例として挙げた。

 中国最大のモデル事務所の一つと主張するESEEはまた、ジュバさんの死因が敗血症の一種であるとする病院の診断書も提示している。(c)AFP