■今も「日本企業が基準」

 デューデンホッファー氏は、日本の自動車メーカーについて「十分に革新的とは言えず、日本の市場に注力しすぎている。トヨタが20年前にハイブリッド技術を展開して以降、これといって目覚しい動きがない」と語った。「日産を除いて、彼らは完全な電気自動車を(あまり)提供していない。世界最大の自動車市場の中国では、これが主要な部門となりつつあるのに」

 日本の自動車メーカーは、電気自動車に何年もかけてきた米電気自動車(EV)大手テスラ(Tesla)やドイツのフォルクスワーゲン、フランスの自動車大手ルノー(Renault)などに遅れを取った。

 このほどマツダ(Mazda)と提携し、電気自動車の合弁事業に乗り出したトヨタのディディエ・ルロワ(Didier Leroy)副社長は25日、「完全電気自動車が将来の主要ソリューションとなることは間違いない」と東京モーターショーで語った。

 専門家の一部は、日本の自動車メーカーが消え去ることはなく、トヨタのようにハイブリッド車に注力するメーカーであっても、急成長中の電気自動車分野で成功するのに十分な優れた技術力を持っていると指摘する。

 国際会計事務所デロイト(Deloitt)のギヨーム・クリュネル(Guillaume Crunelle)氏は、日本では「過去数年の間に、技術革新が消えてしまったという印象があるかもしれないが」と前置きし、「技術革新がもはや日本企業だけの領分でないことは明白だが、日本企業の研究開発(R&D)投資や適応力を過小評価してはならない」と語る。そして、運用品質では日本は抜群で「今も日本企業が基準なのだ」と述べた。(c)AFP/Etienne BALMER