タランティーノ監督、ワインスタイン氏の悪事を見て見ぬふりと後悔
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【10月20日 AFP】映画監督クエンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino)氏が、19日の米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)とのインタビューで、ハリウッド(Hollywood)の大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein)氏(65)のセクハラ・性的暴行疑惑について10年以上前から知っていたことを認め、それにもかかわらず同氏と組んで仕事を続けてきたことを恥じていると語った。
「自分のやるべきことを十分承知していながら、やらなかったことがある」。タランティーノ監督は著名な女優も複数巻き込んだスキャンダルについて、このように述べた。「ありふれたうわさや単なるゴシップを超えていた。また聞きではなかったんだ。彼がそうしたことを2、3度やっていたのを知っていた」
ワインスタイン氏は、数十年にわたってセクハラや性的暴行をしてきたと約40人の女優らから非難されている。被害者として声を上げた女優にはグウィネス・パルトロー(Gwyneth Paltrow)さんやアンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)さん、タランティーノ監督の元交際相手ミラ・ソルヴィノ(Mira Sorvino)さんも含まれている。
ワインスタイン氏の所業については、報道で明らかになるずっと前から耳にしていたとタランティーノ監督は告白。ソルヴィノさんから直接、嫌がったのにワインスタイン氏に言い寄られたと聞いていたほか、別の女優からも同様の被害について相談されていたことを明かした。
「私は、それらの事件を過小評価してしまった」とタランティーノ監督。ワインスタイン氏の行為を「ちょっとした無作法」として片付けてしまったことを認め、「いまさら何を言っても下手な言い訳にしか聞こえないだろうけれど」と悔やんだ。
タランティーノ監督とワインスタイン氏は、1992年公開のデビュー作『レザボア・ドッグス(Reservoir Dogs)』がワインスタイン氏の会社から配給されて以来の関係。次作『パルプ・フィクション(Pulp Fiction)』(1995)はアカデミー脚本賞を受賞。以後、数十年にわたり組んで映画を制作しており、『キル・ビル(Kill Bill)』『イングロリアス・バスターズ(Inglourious Basterds)』『ヘイトフル・エイト(The Hateful Eight)』など多数の作品を共に世に送り出してきた。(c)AFP