【10月19日 AFP】米国の元体操選手で2012年ロンドン五輪金メダリストのマッケイラ・マロニー(McKayla Maroney)さんが18日、過去に米国体操連盟(USA Gymnastics)の元チームドクターであるラリー・ナサール(Larry Nassar)被告から性的暴行被害を受けていたと明かした。

 21歳のマロニーさんはツイッター(Twitter)に投稿した声明で、自身が13歳の頃から現役生活を終えるまでの期間、現在20件を超える性的暴行の罪で起訴されているナサール被告から被害を受けたと語った。

 マロニーさんは「ナサール氏は『30年以上患者に続けてきた医療的に必要な治療を施している』と私に言ってきました」とすると、「それはテキサス(Texas)にある代表チームの練習施設で私が13歳の時に始まり、現役を引退するまで終わりませんでした」と告白した。

「いつ何時であれ、あの男がそうするチャンスを見つけたとき、私は『治療』されました」

 さらにマロニーさんによれば、ナサール被告による暴行は米国代表として女子団体の金メダルを獲得したロンドン五輪の期間中にもあったという。

「それはロンドン(London)でも起きました。団体で金メダルを獲得する前のことです。(跳馬で)私が銀メダルを取る前にもありました」

 米ハリウッド(Hollywood)の大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein)氏の性的暴行疑惑をきっかけに、ソーシャルメディア上では現在、「#MeToo(私も)」というハッシュタグを用いながら女性の性的被害告白をうながす活動が広まっており、今回のマロニーさんも同様の形で声を上げた。

 自身の声明が他の人々が声を上げるきっかけになればいいと思っているというマロニーさんは「ここ数日間の皆さんの言葉に大きな刺激を受けました。非常につらい個人的な経験を公で口にするのが、どれだけ難しいことか知っています。私の身にも起こったことだから」とした上で、「人々はこれがハリウッドだけで起きているものではないと知らなくてはいけません。これは至る所で起きていることです」と続けた。

「私には五輪に出場するという夢がありましたが、そこにたどり着くために耐えなければならなかったことは、不必要で許しがたいものでした」

 米紙インディアナポリス・スター(Indianapolis Star)の調査によると、同国では350人を超える体操選手が性的暴行被害を受けていたことが明らかにされている。(c)AFP