【10月16日 CNS】中国を拠点に富裕層向け雑誌を出版している胡潤研究院(Hurun Research Institute)は12日、中国富豪ランキング「胡潤百富(Hurun Report)」を発表した。それによると、中国の大手不動産開発会社・恒大グループ(Hengda)の許家印(Xu Jiayin)CEOは、2017年上半期で財産が2000億元(約3兆3000億円)急増して2900億元(約4兆7850億円)になり、中国大陸で初めて1位になった。テンセント(Tencent)の馬化騰(Pony Ma)CEOは2500億元(約4兆1250億円)で2位、アリババ創業者のジャック・マー(Jack Ma)会長とその家族は2000億元(約3兆3000億円)で3位だった。

 同報告は、胡潤研究院が1999年に中国大陸部の富豪ランキングを作成して以来19回目となり、統計は今年8月15日時点のデータに基づいている。

 59歳の許CEOの資産は、昨年のほぼ4倍になった。同報告で19年間の間に首位となった富豪は、許CEOが12人目だ。許CEO率いる恒大グループは今年上半期、計700億元(約1兆1550億円)の戦略的投資を行い、1129億元(約1兆8628億円)の債務を返済。資産に占める負債の割合を75.5%圧縮し、株価は5倍近くも増長した。

 胡潤百富の会長で調査主任のルパート・フーゲワーフ(Rupert Hoogewerf)氏は、「許家印氏の富の成長は主にこの半年にみられ、2000億元も上がった。平均すると1日10億元(約165億円)上昇している。1999年の調査開始以来、最も急速な成長だ」と語った。

 46歳のテンセント(Tencent)の馬化騰CEOの場合、財産の伸び率は52%で、アリババ創業者のジャック・マー会長を超えて2位になった。馬化騰CEOの財産の増加は、主に今年に入ってからテンセントの株価が60%急増したことによるものだ。

 ウィーチャットのアクティブユーザーは10億人近く達しているほか、テンセントのゲーム「王者の栄光」のユーザーは2億にも達している。また、テンセント傘下の黄河投資(Huang River Investment Limited)は今年3月、120億元(約1980億円)で米・テスラ社の株を5%取得した。

 これまでずっとトップ富豪だった万達グループ(Wanda Group)の王健林(Wang Jianlin)CEOは5位に落ち、財産は600億元(約9900億円)縮小し、1550億元(約2兆5575億円)になった。息子の王思聡(Wang Sicong)氏の個人財産は50億元(約825億円)。運送業の順豊エクスプレス(S.F. Express)の王衛(Wangwei)CEOは1500億元(2兆4750億円)で6位だった。

 今回のランキングでは、20代の富豪が6人もいることは注目に値する。このうち、26歳のシェア自転車ofoの戴威(Daiwei)CEOは35億元(約575億円)で、裸一貫で出発した20代の若者は、今や富豪ランキングに名を連ねるまでになった。(c)CNS/JCM/AFPBB News