【10月6日 AFP】2018年サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)アジア予選プレーオフは5日、第1戦が行われ、シリアは終盤に論争の的になるPKから得点してオーストラリアと1-1で引き分けた。

 イラン人のアリレザ・ファガニ(Alireza Faghani)主審は後半40分、シリアのオマル・アル・ソーマ(Omar al-Soma)が空中戦でオーストラリアのマシュー・レッキー(Mathew Leckie)に軽く押されたとしてペナルティースポットを指さすと、オーストラリア側は怒りに駆られた。

 政治的なものとおぼしき理由で遠ざかっていた代表チームに復帰したばかりの長身FWソーマは、自信たっぷりにこのPKを蹴り込み、この対戦を予断の許さないものにした。

 国内が内戦状態にあるため、マレーシアを「ホーム」として戦ったシリアはおとぎ話のようなW杯初出場を狙う一方、オーストラリアは4大会連続の出場に向けて身もだえしている。10日にシドニー(Sydney)で行われる第2戦で決まる勝者は、北中米カリブ海予選の4位チームとのW杯本大会をかけた大陸間プレーオフに臨む。

 オーストラリアのアンジェ・ポステコグルー(Ange Postecoglou)監督は、前半にロビー・クルーズ(Robbie Kruse)が決めた先制点を帳消しにされたPK判定に「困惑した」と語った。

「あのような判定から得点を許すというのは少々残念だ。ヘディングの競り合いで勝ったのに、少し困惑した。しかし、それが現実だ」

 一方でクルーズは本音を隠さず、豪フォックス・スポーツ(Fox Sports)に対して「絶対にPKじゃない。しかし、この連盟(アジア・サッカー連盟〈AFC〉)ではそういったことが当然起こるものだと肝に銘じておかなければならない」とコメントした。

 一方でソーマは「前半のわれわれはあるべき姿ではなかった。しかし、後半は最後まで主導権を握った。敵地の彼らのサポーターの前で戦うオーストラリアでの一戦は厳しいものになるだろう。しかし、サッカーに不可能はない」と語っている。(c)AFP