■性暴力が「恐怖の手口」に

 国連調査団はロヒンギャ難民のキャンプに入り、性暴力をはじめとするミャンマーでの人権侵害の疑いについて調査を進めている。

 紛争下の性的暴力担当国連事務総長特別代表(SRSG-SVC)を務めるプラミラ・パッテン(Pramila Patten)氏は先週、ミャンマー・ラカイン(Rakhine)州での治安部隊による作戦に「重大な懸念」を表明。

 またパッテン氏は被害者らが、「標的とする集団が逃げざるを得なくなるよう、計算された恐怖の手口」として性暴力が用いられているという印象を受けていることも明かした。夫や男性親族の不在を狙って兵士らが家に押し入り、子どもたちの面前で犯されたと、その体験談はいずれも酷似している。

 国際移住機関(IOM)がバングラデシュのレダ(Leda)キャンプに開設した医療施設で働く女性は、手当てした被害者のほとんどがレイプされる前に殴打されていたと話している。これまでに診た女性の中には、体にあざがあったり、胸や性器に歯形が残っていたりした人もいたという。

 バングラデシュ駐在の国連専門家らは、最近到着した難民の中ではレイプ被害者は減っているとみられるものの、先月25日以降に押し寄せた避難者数があまりに多く混乱状態に陥っていることから、実際の被害規模を把握するのは不可能だと指摘している。(c)AFP/Claire COZENS