【9月7日 AFP】(更新、写真追加)カリブ海(Caribbean Sea)を直撃しているハリケーン「イルマ(Irma)」について、フランスの気象当局は7日、33時間以上にわたり最大風速約82メートルを保っていることから、低気圧として最大規模の勢力を史上最も長い間保持する記録を更新したことを明らかにした。

 フランス気象局(Meteo-France)の気象予報士であるエティエンヌ・カピキアン(Etienne Kapikian)氏はAFPに対し、「これだけ猛烈な勢力がこれほど長い時間続くのは、人工衛星の時代に観測されたことがない」「その上、イルマはまだ勢力を保っている」と述べた。またイルマは少なくとも、バハマ諸島(Bahamas)に到達するまで5段階で最強のカテゴリー5を維持するだろうと付け加えた。

 フランス領とオランダ領に分かれたサンマルタン(Saint Martin、オランダ名:シントマールテン、Sint Maarten)島では、イルマの襲来により5人が死亡している。

 オランダのマルク・ルッテ(Mark Rutte)首相は7日、イルマによる被害は「甚大」だとの認識を示し、空港や港が壊滅的被害を受けたために同島のオランダ領側が孤立状態となっていると明らかにした。同国政府によると、オランダ領側ではこれまでに1人が死亡、数人が負傷している。

 サンマルタン島に近いオランダ領のシント・ユースタティウス(St Eustatius)、サバ(Saba)両島もイルマによる多大な被害を受けたものの、死者は出ていないという。

 フランス当局は当初、サンマルタン島の仏領側で8人が死亡したと発表していたが、後に死者数を4人に訂正した。さらに、カリブ海の島国アンティグア・バーブーダでも1人の死亡が確認されている。

 イルマは、先月末に米テキサス(Texas)州とルイジアナ(Louisiana)州を襲ったハリケーン「ハービー(Harvey)」のすぐ後に発生し、カリブ海の複数の島に被害をもたらしているが、同海域では熱帯性暴風雨だった「ホセ(Jose)」がハリケーンとなり、メキシコ湾(Gulf of Mexico)では暴風雨「カティア(Katia)」もハリケーンに発達した。(c)AFP