■「残像」に悩まされた王室

 ヘンリー王子は、少し前の米誌ニューズウィーク(Newsweek)とのインタビューで、母親であるダイアナ元皇太子妃の葬儀でひつぎの後ろを歩き、大勢の人目にさらされたことがとても苦痛だったと当時について語った。「どんな状況であっても、子どもにあのようなことをさせるべきではない。今は、もう同じようなことは起きないと思う」

 当時、英王室に配慮が欠けているとして多くの英国人から怒りの声が上った。また一部からは、ダイアナ元皇太子妃が公の場において「交代」したことを王室が喜んでいるようにも感じらるとの批判的な意見が出た。

 ダイアナ元皇太子妃の私設秘書だったパトリック・ジェプソン(Patrick Jephson)氏は、元妃が死去した後の一時期、王室はその「残像」に悩まされ、元妃の存在そのものを否定するかのように振舞っていたと話す。

「この20年間の大半において、彼女は王室関係者の間で名前を口にしてはいけない存在だった」「だから子どもたち(ウィリアム王子とヘンリー王子)は声を上げた。『それは違う、たくさんの良い思い出がある。彼女の人生を称えよう』と言わんばかりの行動は、彼らのささやかな反抗心と決意の表れだった」

 ウィリアム王子とヘンリー王子の2人はケンジントン宮殿(Kensington Palace)に設置するため、ダイアナ元妃の像の制作を依頼した。同宮殿には元妃のために作られた庭園もある。現在、ここにはウィリアム王子夫妻が居住しており、ダイアナ元妃も生前ここで暮らしていた。