【8月23日 AFP】イタリアのナポリ(Napoli)湾に浮かぶ人気観光地イスキア(Ischia)島で発生した地震で、がれきの下敷きになっていた兄弟3人が22日、無事救出された。救助隊によると、最後に救出された兄の行動が、弟の命を救ったという。

 救出されたのは、チロ君(11)とマッティーアス君(7)、パスクアーレちゃん(7か月)の兄弟3人。先にパスクアーレちゃんとマッティーアス君を救出した消防隊員らは、素手でがれきを掘り起こしながらチロ君の救出活動を続けていた。

 警察官によると、チロ君がマッティーアス君を連れてベッドの下に潜り込んだおかげで、2人は命拾いした。チロ君はその後、ほうきでがれきをたたいて救助隊員を呼んだという。

 救助隊は夜通しのがれき撤去活動の末、まずパスクアーレちゃんを救出。次に、ほこりまみれのマッティーアス君が救出されると、隊員からは拍手が起こった。続いて、チロ君も16時間ぶりに救出され、待ち受けていた救急車に運び込まれた。

 地元報道によると、このマグニチュード(M)4.0の地震で、イスキア島北部在住の女性(59)とイタリア人観光客の男性(65)が死亡した。同国地質学協会の代表は、M4.0の地震では通常、建物倒壊には至らないと指摘し、建設工事の粗雑さと地震防災対策の欠如を強く批判している。(c)AFP/Ella IDE