【8月22日 AFP】スペイン1部リーグ、FCバルセロナ(FC Barcelona)に所属するフランス代表DFリュカ・ディニュ(Lucas Digne)が、13人の死者、100人以上の負傷者を出した車突入事件の発生直後に現場で救護活動を行なっていたことが明らかになった。スペインメディアが21日に報じている。

 24歳のディニュは、事件が起きたバルセロナのランブラス(Las Ramblas)通りの近くに住んでいて、事件発生後にタオルと水を持って現場に急行したと全国紙エル・パイス(El Pais)が伝えている。

 エル・パイス紙は「救急隊と警察が到着し、予防措置としてランブラス通りへの立ち入りが禁止されるまでの間、ディニュは負傷者の腕や脚に止血帯を巻くなど応急手当てを行った」と報じた。止血帯は圧力をかけて血を止めるためのもので、緊急の際にはタオル、シャツ、靴ひもなどで代用される。

 スポーツ紙ムンド・デポルティーボ(Mundo Deportivo)は、「フランス人はこの行動について話したがっていない。彼は止血帯を用いて傷ついた手や脚に治療をしたことで、自分自身が英雄になったとは考えていない」と伝えている。

 17日に人であふれ返ったランブラス通りに突っ込んだ白いワゴンは、そのまま500メートル以上を走行し、通りは遺体と逃げ惑う人で大混乱となった。

 ワゴン車を運転していたユネス・アブーヤアクーブ(Younes Abouyaaqoub)容疑者(22)は21日、バルセロナから西に約60キロ離れた村で警察に射殺されている。

 2016年7月にフランス・リーグ1のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)からスペインに渡ったディニュは、バルセロナと5年契約を結んでいる。(c)AFP