【8月19日 AFP】今月21日に発表される最新の世界ランキングで3年ぶりに世界1位に返り咲くことが決まった男子テニスのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)は、母国を揺るがせた車突入事件によって、現在も「打ちのめされた」状態が続いている。

 スペインでは17日にバルセロナ(Barcelona)の繁華街ランブラス(Las Ramblas)通りで車が群衆に突っ込んだのに続き、18日早朝には海沿いの町カンブリルス(Cambrils)でも車が歩行者をはねる事件が発生し、これまでに14人が亡くなった。

 全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2017)を控えた最後の前哨戦、ウェスタン&サザンオープン(Western and Southern Open 2017)に出場していたナダルは18日、犠牲者を悼むために喪章の黒リボンをつけてニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)との準々決勝に臨んだものの、残念ながら試合に敗れてしまった。

 ナダルは同日、「恐ろしいことが起きてしまった。スペインでは自分を含めて誰もが打ちのめされている。これは悲劇であり、どこにいても安全とはいえない。恐ろしい事件であり、とにかく悲しい」とコメントしている。

「犠牲者とご家族、そして友人の皆さんに対して心からお悔やみを申し上げ、全面的にサポートしたい。国もすべての人々も一致団結して、これらの出来事を乗り越えるときだ。バルセロナの街をはじめ、特に大きな被害に遭った人々や犠牲者のご家族を全面的にサポートする。とにかく前に進むことだ。そしてすべてのことを悼む」

 スペイン勢ではアルベルト・ラモス・ビノラス(Albert Ramos-Vinolas)や、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2017)女王のガルビネ・ムグルサ(Garbine Muguruza)も黒リボンをつけて犠牲者を悼んだ。(c)AFP/Jim SLATER