■中国で高まる人気

 シャチやシロイルカなどのクジラ目の動物は他の動物と違い、飼育下では寿命が短くなると考えられている。

 動物の飼育環境やシャチによる調教師殺害などをめぐり、国際的な議論が活発化するなか、動物園・水族館に対する世論の圧力は強まっている。事実、米海洋テーマパーク「シーワールド(SeaWorld)」は昨年、シャチの繁殖および飼育の中止を発表した。

 しかし中国では新しい動物園・水族館が続々オープンしている。「長隆海洋王国(Chimelong Ocean Kingdom)」は今年、ロシアのシャチ9頭を公開した。さらに今後数年以内には、シャチのショーを目玉にした娯楽施設が国内に少なくとも2か所開業する予定となっている。

 世界クジラ・イルカ保護協会(WDC)の研究フェローで、極東ロシア・オルカプロジェクト(FEROP)の共同ディレクターでもあるエリック・ホイト(Erich Hoyt)氏によると、ここで捕獲されたすべてのシャチは魚食性ではなく、より数の少ない肉食性の種類に属するという。

 ホイト氏は、ロシア極東に生息する哺乳類を食べる種類のシャチの数は「おそらく200~300頭」と推定している。(c)AFP/Maria ANTONOVA