【8月11日 AFP】第16回世界陸上ロンドン大会(16th IAAF World Championships in Athletics London)は10日、男子200メートル決勝が行われ、アゼルバイジャン出身でトルコ国籍のラミル・グリエフ(Ramil Guliyev)が優勝を飾り、ウェイド・バンニーキルク(Wayde van Niekerk、南アフリカ)の達成すれば22年ぶりとなる200メートルと400メートルの2冠を阻んだ。

 2011年に国籍を変更し、その2年後からトルコ人選手として競技することが許可されたグリエフは、20秒09の記録で同国史上初となる大会金メダルを獲得した。またトルコの男子選手が世界陸上でメダルを手にするのも初めてとなっている。

 バンニーキルクは最後に力強い追い上げをみせてフィニッシュラインで体を突っ込んだが、グリエフを0秒02差でとらえることができず、銀メダルとなった。ジェリーム・リチャーズ(Jereem Richards、トリニダード・トバゴ)はバンニーキルクと同タイムながら写真判定で銅メダルとなった。

 グリエフは「(フィニッシュ直後は)自分が1位か、2位か、3位かどれだという思いが浮かんだ。全力で走っていると、まっすぐ前しか見られない。右も左も見られないんだ。勝ちたいと思っていた。今年はやれると思っていたし、やってやった。自分のことを信じていた。キャリア最高の瞬間だ」と語った。

 一方、1995年に行われた第5回世界陸上イエーテボリ大会(5th IAAF World Championships in Athletics Gothenburg)、翌年のアトランタ五輪で米国のマイケル・ジョンソン(Michael Johnson)氏が達成した2冠の達成が阻まれたことで満員のロンドン・スタジアム(London Stadium)からはわずかにブーイングも聞かれ、観客はすぐさま帰途に就いた。

 バンニーキルクは「きつい一週間だった。今夜のために懸命に練習をしてきたと強く感じているし、すべてを出し切った」とコメントしている。

 また、感染性胃腸炎のため48時間の隔離制限を課され、7日の200メートル予選と8日の400メートル決勝の欠場を余儀なくされていたアイザック・マクワラ(Isaac Makwala、ボツワナ)は、10日の準決勝を前に単独でタイムトライアルを行い、その後決勝に駒を進めたが、20秒44で6位だった。

 マクワラは「これまでで一番めちゃくちゃな世界選手権だった。もう二度とこんな目に遭わないよう祈っている。心に痛みを抱えて選手権を去るだろう」と語った。

 サニブラウン・アブデル・ハキーム(Abdul Hakim Sani Brown)は20秒63で7位に終わった。(c)AFP/Luke PHILLIPS