【8月3日 AFP】サッカー元イングランド代表のデビッド・ベッカム(David Beckham)氏らをオーナーに、米マイアミ(Miami)を本拠に新設されるサッカーチームについて、米メジャーリーグサッカー(MLS)のコミッショナーが2日、リーグ参入の最終承認には至らなかったものの、あとわずかだと話した。

 MLSの各クラブのオーナーは、すでに暫定的な承認を与え、2020年の参入を認める方向で作業を進めているが、最終投票はもう少し後にずれ込むことになった。

 コミッショナーを務めるドン・ガーバー(Don Garber)氏は「本当にあとわずかのところへ迫っている。MLSマイアミについて本日アナウンスすることはないが、間もなく、おそらく夏の終わりまでには発表できるはずだ。終わらせなくてはならない作業がいくつか残っている」と話した。

 またガーバー氏は、クラブの過半数オーナーはベッカム氏ではなく、投資銀行家で、米大リーグ(MLB)のロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)を共同保有するトッド・ボーリー(Todd Boehly)氏になることも明かした。

「デビッドには金銭面のパートナーが必要で、それがトッドだった。理事会は準備ができたと言っている。最終承認までいくつか詰めなくてはならないことがあるが、数週間のうちにマイアミで、デビッドと彼のパートナーたちとお祝いをできると思っている」

 ガーバー氏は、オーナー陣が承認に票を投じる見込みだと話しており、その通りになれば、3年半に及んだベッカム氏のチーム参入をめぐる物語にもようやく幕が下りることになる。

 チームをめぐっては、スタジアムの建設予定地やホームタウンの選定が難航。スタジアムは、当初の海岸沿いだけでなく、大リーグのマイアミ・マーリンズ(Miami Marlins)の球場近くに建設する案もとん挫し、最終的にはオーバータウン(Overtown)に落ち着いた。このスタジアムの建設には、3億ドル(約330億円)以上が必要になることが最新の発表で明らかになっている。

 またベッカム氏は選手時代の2007年、2500万ドルという破格の値段で新チームを設立できる契約をリーグと結んでいるが、地元紙マイアミ・ヘラルド(Miami Herald)によれば、同氏の共同出資者たちがこれに便乗し、本来よりも安くMLSに参入しようとしていることを快く思わないオーナーもいるという。

 MLSでは、2007年にトロントFC(Toronto FC)が1000万ドルで新たに参入し、2009年には3000万ドルでシアトル・サウンダーズ(Seattle Sounders)とフィラデルフィア・ユニオン(Philadelphia Union)が、2011年には3500万ドルでポートランド・ティンバーズ(Portland Timbers)とバンクーバー・ホワイトキャップス(Vancouver Whitecaps FC)が参入し、現在では参入に求められる費用は1億5000万ドル(約165億円)にまで跳ね上がっている。(c)AFP