トランスジェンダー入隊禁止、米軍は寝耳に水 大統領発表で波紋
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トランプ大統領は、入隊禁止措置によって「膨大な」医療費と混乱が抑制できると主張している。だがランド研究所(RAND Corporation)の調査によれば、性別移行を希望する軍人は少ないため、配備能力に影響は出ず、付随する医療費も6000億ドル(約70兆円)を超える国防総省の予算に対して240万~840万ドル(約2億7000万~9億4000万円)にとどまるとされる。
米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)などの米メディアは、今回の禁止措置にはトランプ氏の政治的な動機があったと報じている。
大統領が目玉政策として掲げていた米・メキシコ国境沿いでの壁建設などの費用を含む歳出法案には、軍がトランスジェンダーの人員の医療費を負担することを禁じる規定改正も盛り込まれていた。
ニューヨーク・タイムズ紙は関係筋の話として、大統領はこの改正が歳出法案の採択の遅れを招くことを懸念し、この問題に対処するよりも、トランスジェンダーの人々の入隊そのものを禁止することで問題を争点から外したと報じている。(c)AFP