【7月25日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のデンバー・ブロンコス(Denver Broncos)やワシントン・レッドスキンズ(Washington Redskins)でプレーしていたセーフティーのデビッド・ブルートン(David Bruton)が24日、複数回にわたる脳振とうを理由に8年間の現役生活を終えると表明した。

 ブルートンは自身のインスタグラム(Instagram)に、「8年間を過ごしたNFLから引退する。これまで支えてくれた皆さんに感謝したい。アメフトは長年やってきて大好きだったから、この決断は簡単ではなかった。だけど皆さんに、2017年7月24日をもって自分の現役生活を終わりにすることをお知らせする」と投稿した。

 23日に30歳になったブルートンは、米紙デンバー・ポスト(Denver Post)に対し、6回の脳振とうを経験したことで、将来の健康に影響を及ぼすかもしれない不安に直面したことが決断につながったとして、「自分のことを賢い人間だと思いたい。少しばかげているかもしれないが、これから年を取っても脳の機能を保ちたい。それが大きな理由だ」とつづった。

 ノートルダム大学(University of Notre Dame)出身で2009年にNFL入りを果たしたブルートンは、理学療法士を目指して現在コロラド大学(University of Colorado)で科学を学んでいる。

 ブルートンは2009年のNFLドラフトで4巡目指名を受けたブロンコスで7年間を過ごし、2015年シーズンには同チームの第50回スーパーボウル(Super Bowl 50)出場に貢献したものの、カロライナ・パンサーズ(Carolina Panthers)を下した頂上決戦では脚の故障でプレーすることはできなかった。

 NFLのレギュラーシーズンではブロンコスでの104試合を含む計108試合でプレーしているブルートンは、昨季レッドスキンズで4試合に出場したが、最後の出場となった試合で脳振とうを起こしたあと昨年12月にチームを解雇された。

 近年のNFLでは脳振とうや頭部外傷による問題に大きな関心が向けられており、神経認知疾患に見舞われた元選手数千人による訴訟では、2015年にリーグ側と推定10億ドル(約1150億円、当時)の和解が成立している。(c)AFP