【7月24日 AFP】第17回世界水泳選手権(17th FINA World Championships)は23日、ハンガリーのブダペスト(Budapest)競泳男子400メートル自由形の決勝が行われ、中国の孫楊(Yang Sun、ソン・ヨウ)が自身を挑発していたオーストラリアのマック・ホートン(Mack Horton)を退けて優勝した。

 孫はホートンと2秒47差の3分41秒38を記録。イタリアのガブリエーレ・デッティ(Gabriele Detti)が2秒55差の3位に入ったが、全体には孫が前半で作った大きなリードを守り抜く盤石の泳ぎを見せた。

 孫を破ってこの種目の金メダルを獲得したリオデジャネイロ五輪でホートンは、2014年に興奮剤を使用して3か月の出場停止処分を受けた孫を薬物違反者と呼んでいた。そして今回の決勝の前にも、これは「クリーンな選手と陽性になった選手の戦いだ」と話していた。

 しかし、結果的に会心のリベンジを果たした孫は、トップでタッチ板に触れると、水をたたき、雄たけびを上げて勝利を喜んだ。それでも、長く続く舌戦の末、ホートンに雪辱を果たしたにもかかわらず、孫はライバルに対して寛大な姿勢を見せた。

「リオ五輪からだいぶ時間が経った。二人ともストレスを感じているし、気持ちも落ち着いた。特に2016年の後半からは練習で新しいことも試してきたし、この大会では自分も、彼も、前よりずっと速くなっているはずだと思っていた」

 これで孫は2011年の第14回大会から世界水泳4大会に出場して通算8個の金メダルを獲得し、400メートル自由形は3連覇となった。

 一方で屈辱の結果に終わった21歳のホートンは、敗れたこと以上に記録がショックだったと話した。

「もっと速く泳げると思っていたから、負けたことよりもタイムの方がこたえる。力を出し切れなかった。前半の力強さが足りなかった」 (c)AFP