【7月4日 AFP】ボクシングで前人未到の8階級制覇を誇るマニー・パッキャオ(Manny Pacquiao、フィリピン)は3日、先日行われたWBOウエルター級タイトルマッチで無名のジェフ・ホーン(Jeff Horn、オーストラリア)にまさかの判定負けを喫したことを受け、現役引退について「真剣に考える」意向を示した。

 豪ブリスベン(Brisbane)で行われた2日の試合で物議を醸す判定によって敗れたあと、38歳のパッキャオはフィリピンに帰国し、これを機にグローブを外すことについて考えていると明らかにした。

 地元テレビ局ABS-CBNで現役引退について聞かれたパッキャオは、「周囲や家族、そして自分の体にも相談している。まずは休養を取り、体の痛みを回復させてからの話だ。十分に休んだら、そのことについて真剣に考える」と答えた。

 パッキャオが試合直後にホーンとの再戦を求めていた一方で、同選手の妻ジンキー(Jinkee)さんやトレーナーを務めるフレディ・ローチ(Freddie Roach)氏は、同選手に対して22年間の素晴らしいプロ生活に終止符を打つことを勧める可能性を示唆した。

 昨年パッキャオは一時的にボクシングを引退し、長年続けてきた政治家の仕事に専念して上院議員に選出されたが、まだ自分は若いと主張して引退を撤回し、同11月の復帰戦でジェシー・バルガス(Jessie Vargas、米国)に勝利した。

 非常に積極的なスタイルでパッキャオを圧倒し、12ラウンドの末に3-0(117-111、115-113、115-113)の判定勝ちを収めた29歳のホーンについて、「彼はそれほどの選手じゃないが、とても強かった」と見下すようなコメントをしたパッキャオはまた、米国人レフェリーのマーク・ネルソン(Mark Nelson)氏が下した判断について聞かれると、次のように答えた。

「ジェフ・ホーンのプレースタイルが汚くても問題ない。なぜなら、レフェリーが立ち会っているからだ。問題なのは、意図的なのか経験が浅いのか分からないが、レフェリーがホーンにそれを許し、何度やっても警告しなかったことだ。あのレフェリーは、まるで俺の対戦相手に味方することを望んでいたかのようだった」 (c)AFP