【6月30日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は29日、自身を批判した著名な女性テレビ司会者をツイッター(Twitter)で個人攻撃し、「整形手術で血だらけだった」などと容姿を侮辱した。トランプ氏はメディアとの対決姿勢を一段と強めているが、今回は与党の共和党からも即座に非難の声が上がった。

 トランプ氏が矛先を向けたのはミカ・ブレジンスキー(Mika Brzezinski)氏。ジョー・スカボロー(Joe Scarborough)氏と共に司会を務める米ケーブルテレビ局MSNBCの朝の番組で、トランプ大統領を厳しく批判していた。

 ケーブルテレビのニュース番組の熱心な視聴者であるトランプ氏は「評判のイマイチな@Morning_Joe(ブレジンスキー氏の番組)が、私についてひどいことを言っているらしい(もう見ちゃいけない)」と投稿。

 さらに「どうしたわけか、IQ(知能指数)の低いクレイジーなミカが、サイコなジョーとそろって大みそかあたりに3日連続でマーアーラゴ(Mar-a-Lago、トランプ氏が所有するリゾート施設)に来て、一緒に過ごそうとしつこく誘ってきた。彼女はしわ取りの整形手術で血だらけだった。ノー! と言ってやったよ」と続けた。

 トランプ氏はここ数日、米メディアは同氏に関する「偽ニュース」をばらまいているとして攻撃をエスカレートさせてきたが、今回の低俗な投稿には非難が相次ぎ、共和党内部からも批判の声が上がっている。

 昨年の大統領選挙の予備選でトランプ氏と共和党候補の座を争ったジェブ・ブッシュ(Jeb Bush)氏は「不適切で、威厳に欠け、大統領にふさわしくない」とツイート。議会の共和党トップであるポール・ライアン(Paul Ryan)下院議長も、大統領のコメントは「適切ではない」と苦言を呈した。

 ブレジンスキー氏本人もツイッターで反撃。「チーリオス(Cheerios)」のシリアルに手を伸ばす幼い子どもと、同氏への批判に使われてきた「小さな手(子ども)のために」というコピーが写った写真を投稿した。この写真とコピーは、トランプ氏が大統領選に立候補して以来、トランプ批判に使われてきた。

 ブレジンスキー氏は29日の番組で、大統領には精神面で問題があるとの見方を示し、政権内の人間は、自分の立場にとらわれて「骨抜きにされることなく」、事態をよく見る必要があると指摘していた。

 ブレジンスキー氏は5月に死去したズビグニュー・ブレジンスキー(Zbigniew Brzezinski)元米大統領補佐官の娘。(c)AFP/Carlos HAMANN