【6月25日 AFP】米国とメキシコに離ればなれになったあるメキシコ人らの家族が24日、同様の状況下の家族約200組が参加して行われた特別な催しで、数分間だけ、約10年ぶりの再会を果たした。

 家族たちが再会を果たしたのは、両国の国境沿いを流れるリオグランデ川(Rio Grande)で、この川は、メキシコのシウダフアレス(Ciudad Juarez)と米テキサス(Taxas)州エルパソ(El Paso)の間を流れ、毎年この時期には渡れるようになる。

 シウダフアレス在住のクラウディア・パストラナ(Claudia Pastrana)さん(42)は、今回の催しに息子やおいと参加。テキサス州に住んでいる姉妹やめいと束の間の再会を果たした後、メキシコ側に戻った。そこから姉妹の姿が見えなくなるまで、大きく手を振って別れを惜しんでいた。

 国境警備隊が監視の目を光らせる中、非営利組織「人権のための国境ネットワーク(Border Network for Human Rights)」が主催し、「壁ではなくハグを(Hugs Not Walls)」と題したこの催しには、移民規制や強制送還により離散した195家族、2500人以上が参加した。今回、4度目の開催で、メキシコ人移民をたびたびやり玉に挙げているドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が就任してからは2度目となる。

 エルパソの国境警備隊の報道官、ラミロ・コルデロ(Ramiro Cordero)氏は、「ハグ(再会)の際に越境しようとする者が出ないよう」警備隊は監視にあたったと述べた。(c)AFP