【6月21日 AFP】韓国政府は21日、今月初めに南北軍事境界線近くで発見された無人機(ドローン)について、北朝鮮から飛ばされたものと断定するとともに、無人機の飛行は朝鮮戦争(Koren War)の休戦協定に違反する「重大な挑発行為」と非難し、国連(UN)に調査を求めた。

 韓国軍によると、無人機は今月9日に軍事境界線沿いの軍事施設近くで墜落しているのが発見され、中から韓国に配備された米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」を撮影した画像のデータが見つかったという。

 韓国軍合同参謀本部の幹部は「北の行為は重大な挑発であり、無謀な休戦協定違反だ」と非難した。また韓国国防省によると、調査により無人機の飛行経路が判明し、この機が北朝鮮から飛ばされ、韓国内で500枚以上の画像を撮影していたことを確認したという。画像にはTHAADが配備された南部・慶尚北(North Gyeongsang)道の星州(Seongju)郡を捉えたものも含まれていたという。

 韓国軍合同参謀本部の幹部は「北の一連の無人機による挑発行為を強く非難し、同様の行為を直ちに中止するよう促していく」と語り、さらなる北朝鮮による挑発には「強力な報復」で臨むとの姿勢を示した。

 韓国軍によると同軍は北朝鮮の無人機による偵察活動、または攻撃への防衛を強化しており、軍事国境線付近の監視レーダーや無人機を撃墜するための対空砲を増設しているという。(c)AFP