【6月19日 AFP】サッカー元アルゼンチン代表のカルロス・テベス(Carlos Tevez)が、所属する上海申花(Shanghai Shenhua)でファンの怒りを買い、解任の危機にさらされているグスタボ・ポジェ(Gus Poyet)監督とともに退団を求める声が高まっている。

 世界最高の年俸3800万ユーロ(約47億円)で、アルゼンチン1部リーグのボカ・ジュニアーズ(Boca Juniors)から中国スーパーリーグ(1部)の上海申花に移籍したテベスだが、世界最高給の選手に対してファンはすでに我慢の限界に達している。

 シーズン前に大金を投じた上海申花は、17日に行われたリーグ戦で重慶力帆(Chongqing Lifan)と2-2で引き分け、順位表でも半分以下に低迷。アルゼンチンメディアは、シーズン終了後にテベスは中国を去るだろうと伝えた。

 ポジェ監督は地元メディアに対し、「われわれの攻撃は機能していたが、守備で大きなミスを2度犯し、2失点を喫してしまった」とコメントし、勝利を逃したことを謝罪した。

「私は選手に激しくプレーし、勝利に対する貪欲さを示せと求め続けている。しかし、私には指揮官として、結果に対して責任を負わなければならない」

 イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティ(Manchester City)やイタリア・セリエAのユベントス(Juventus)などでプレーした実績を持つテベスは、故障や調整不足により得点を量産できていない。17日の試合でアシストを記録したものの、今季はまだ1得点にとどまっている。

 現在33歳のテベスは今年4月、けがで試合を欠場した当日に「上海ディズニーランド(Shanghai Disneyland)」にいたことが明らかになり、サポーターから批判を浴びていた。そしてテベスは先月、中国の選手について「がさつ」で「繊細さを欠いている」と評していた。

 上海申花のファンは、期待外れの成績に終わっているテベスにいら立ちを隠さず、中国版ツイッター(Twitter)の「新浪微博(Sina Weibo)」に「テベスの態度はチーム史上最悪だ」と投稿した。

 さらに別のファンは「テベスは上海申花を去るべきだ。他の選手と違って、テベスは囲まれることや、けがをすることにおびえているんだ。テベスは契約に見合っていない」と批判している。

「彼は高額な年俸とディズニーの会員になるためだけに中国にいる。本当にチームに失望しているのであれば、老人のようにピッチを歩くのではなく、暴れまわってチームを引っ張るくらい何か行動を起こしてくれよ」

 中国のサッカーファンはまた、現役時代にプレミアリーグのチェルシー(Chelsea)やトッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)でプレーしたポジェ監督が、6試合も勝利から見放されたことで解任されるだろうと予想している。

 中国のクラブはためらわず指揮官を解任する傾向にあり、最近1か月で6人の監督が職を追われている。(c)AFP