【6月12日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2017)は11日、男子シングルス決勝が行われ、大会第4シードのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)が第3シードのスタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)を下し、前人未到となる大会10度目の優勝を果たすと同時に、四大大会(グランドスラム)の通算優勝回数を15に伸ばした。

 6-2、6-3、6-1と一方的なスコアでワウリンカを圧倒した31歳のナダルは、一つのグランドスラム大会で10度の優勝を飾った史上初の男子選手となった。手首の故障により、昨年のローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)は大会途中で姿を消していたが、グランドスラム優勝回数も宿敵ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)が持つ最多記録まで3に近づいている。

 この日がグランドスラム通算22回目の決勝となったナダルだが、パリ(Paris)で1セットも落とさずに優勝を果たしたのは今回が3度目。さらに、大会全体を通して失ったゲーム数はわずか35であるだけでなく、決勝での失ゲーム6は、フェデラーとの2008年大会決勝で記録した同4に次いで少ない記録となった。

 ナダルは試合後「本当に信じられない。ラ・デシマ(La Decima、スペイン語で10回目の意味)が達成できたなんて本当に特別だ」、「とても感動している。今の感情は表現できない」と語った。

「他の大会と比較するのは難しいが、ここで感じる緊張やアドレナリンは、他のどの場所のそれとも異なる」

「この大会を他の大会と比べるのは難しい。いつまでも私の心にとどまり続けるだろう」

 試合後に行われた優勝セレモニーには、ジュニア時代から自身のコーチを務める叔父のトニ(Toni Nadal)氏も参加。今週発表のランキングで2位に浮上することが決まったナダルは「叔父なしではトロフィーを10個も手にできなかっただろう」と今季限りで退任するトニ氏に感謝の気持ちを示した。

 一方、自身4回目のグランドスラム優勝はならなかったワウリンカだが、試合後には「ラファ、何も言葉が出ないよ。君が良すぎた」と対戦相手を称賛した。

「君は素晴らしいお手本だし、君と試合をするのは、いつだって光栄だ」 (c)AFP/Dave JAMES