【6月8日 AFP】(訂正)中国の警察当局は7日、米アップル(Apple)のパソコン・携帯電話ユーザーの個人情報を売りさばいていた巨大な闇ネットワークを摘発し、22人の身柄を拘束したと発表した。

 南部浙江(Zhejiang)省の警察当局の声明によると、個人のプライバシー侵害と電子化された個人情報の違法取得の容疑で22人を拘束。うち20人がアップル「直系の国内向け販売会社および外部委託を受けた会社」の従業員だという。

 容疑者らは、社内コンピューターシステムを使ってユーザーの名前、電話番号、アップルIDなどのデータを収集していたとみられ、これらの個人情報の販売などの詐欺行為から5000万元(約8億円)以上を売り上げていたとされる。

 警察によれば、浙江省のほか広東(Guangdong)省、江蘇(Jiangsu)省、福建(Fujian)省などの警察が数か月かけて合同捜査を行い、先週末に容疑者らを逮捕した。容疑者らが利用していた「犯罪ツール」も押収され、詐欺ネットワークは解体されたという。

 容疑者らは違法に抽出したデータを1件当たり10~180元(約160~2900円)で売りさばいていたとされる。

 その一方で、警察の声明には「アップルの中国法人の従業員」との言及があるものの、従業員がアップルに直接雇用されていたのか、もしくはアップル製品の販売会社に雇用されていたのかは明らかになっていない。また売却された個人情報が中国人顧客のものなのか、外国人顧客のものなのかにも言及していない。

 アップルの広報担当者はこの件に関するコメントを拒否している。また地元警察もコメントの求めに応じていない。

 中国では個人情報の売買は広く行われているが、当局は今月1日、国のネットワークと個人情報の保護を掲げて新しいサイバーセキュリティー法を施行したばかりだった。(c)AFP