【6月3日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2017)は2日、男子シングルス3回戦が行われ、コートカバーに足を取られて足首を負傷し、途中棄権を余儀なくされたダビド・ゴフィン(David Goffin、ベルギー)に対し、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)やガルビネ・ムグルサ(Garbine Muguruza、スペイン)からは同情の声が上がった。

 大会第10シードのダビド・ゴフィン(David Goffin、ベルギー)はこの日、コート・スザンヌ・ランラン(Court Suzanne Lenglen)でアルゼンチンのオラシオ・セバジョス(Horacio Zeballos)と対戦した。

 第1セット5-4の場面で後ろに向かってボールを追いかけると、コート後方に置かれていたコートカバーの下に右足が引っ掛かり、そのまま線審の椅子と壁に激突。26歳のゴフィンは関係者の助けを受けてコートから運び出されると、ロッカールームで棄権を決断した。

 今回の事故を受けてナダルは「あれはひどい。本当に不運だった。あのタープ(コートカバー)は危険だし、正しい場所に置かれていないといつも思っていた」とコメントした。

「彼のことは非常に気の毒に思う。とても良いプレーをしていたし、次のラウンドに進むチャンスがあった。彼は素晴らしい人間。深刻でないことを願っている」

 一方、ローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)の前回女王ムグルサは、自身も同様のアクシデントに遭遇した経験があることを告白した。

「4年前だったかな。私もコート上のタープで足首をけがしたことがある。ロブに追いつこうとしたが、タープの下に足首を取られた。映像も見たけど、ゴフィンにもそれと同じことが起きていた」

「センターコートにはもっと余裕があるわけだし、今回は本当に不運だった。でもタープはもっと端に置かれるべきだと思う」

 コーチを務めるティエリー・ファン・クレームプット(Thierry van Cleemput)氏は、ゴフィンがすでにMRI検査を受け、骨折はなかったことを明かしている。

 ファン・クレームプット氏は「コート上のすべての選手が最高の安全を確保できるというのが目標となるわけだが、ここローラン・ギャロスのスタッフは十分にプロフェッショナルだと言える」とした上で、「もちろん、彼らも自らにこうした質問(巻き上げられたコートカバーの位置について)を問いかけている。大会側には、今回の一件によって何らかの結果がついてくると思う」と語った。

 四大大会(グランドスラム)で自身初の4回戦進出を決めた世界65位のセバジョスは次戦、第6シードのドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)と対戦する。(c)AFP/Martyn WOOD