■複数の遺伝子変異による特定のパターン

 知能遺伝子をすべて見つけ出すには数百万人分のゲノム(全遺伝情報)を解析する必要があり、これを行うための生のデータと計算機能力はまだ手の届かないところにあると、ポスツマ氏は話す。

 そして「知能に関しては、数千の遺伝子が存在する」「われわれは52の最も重要な遺伝子を検出したが、実際にはもっと数多くある」ことを指摘した。

 他方で、知能の測定結果をめぐっては、遺伝子で説明できる割合はたかだか50%程度だという点で、専門家らの意見は一致している。「頭の良さ」に寄与する遺伝子の挙動をすべてマッピングできたとしても、IQ値や人生で成功するかといったことを予測するには不十分かもしれない。

 ポスツマ氏は「これら遺伝子の影響については、すべてがそれぞれ独立したものとして捉えられている」ことを指摘しつつ、「知能を高める要因となるのは(知能遺伝子の純粋な個数だけではなく)複数の遺伝子変異による特定のパターンなのかもしれない」と続けた。

 同氏はまた、「成功」に結び付く主な要因は、自身の大脳皮質(灰白質)を、そのサイズの大小を問わず鍛えることだと述べる。もし遺伝的に大きな素質を持つ人が「学習に全く力を注がない道を選ぶなら、それによって成功のチャンスは間違いなく小さくなるだろう」とした。(c)AFP/Marlowe HOOD