【2月2日 AFP】人の身長に大きな影響を与える遺伝子変異83個を確認したとする研究論文が1日、発表された。変異の確率は低いものの、最大2センチ強の差が生じると研究チームは説明している。

 論文は英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。研究では、世界5大陸の研究者300人以上が71万1428人分の遺伝子データを詳細に調べた。

 これまでの研究では、人の身長を決めるのは80%以上が遺伝子で、その他に栄養や汚染といった環境要因が影響するとされてきた。

 身長にかかわると考えられている変異は、これまでに約700近く確認されているが、その遺伝率は全体の約5分の1にすぎない。それらはより一般的な変異だが、その影響は限定的で実際の身長に現れる差異は1ミリ以下だという。

 しかし、今回の研究で確認された遺伝子変異83個のうちの24個は、身長に与える影響が1センチ分以上だった。

 研究に参加した米ボストン子ども病院(Boston Children's Hospital)は声明を発表し、「特に『STC2』遺伝子の変異2個に大きな影響があることが分かった」と述べ、約1000人に1人で2つのうち1つの変異が確認できたとしながら、これらの変異を持つ人は、持たない人よりも1~2センチ高身長だったことを指摘した。

 今回の研究で確認された変異は、骨格や軟骨の発育における遺伝子の調整に関係する他、成長ホルモンの分泌と活性にも関わっているという。(c)AFP/Mariëtte Le Roux