【5月21日 AFP】米アップル(Apple)が約40年前に最初に開発したコンピューター「アップル1(Apple-1)」が20日、ドイツで競売にかけられ、予想を下回る11万ユーロ(約1400万円)で落札された。

 現在も動作するアップル1は世界で8台しか残っていない。そのうちの希少な1台が今回、オークションに出品されたが、予想落札価格18万~30万ユーロ(約2200万~3700万円)を大きく下回った。これは、アップルの共同創業者スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)氏が2011年に亡くなって以降続いていた「価格高騰」が終わりを迎えたことを示している。

 ドイツ西部ケルン(Cologne)でこの競売を開催したウーベ・ブレッカー(Uwe Breker)氏は言う。「通常のレベルに戻ったということ。スティーブ・ジョブズの死から5年がたち、『熱狂』が静まった」

 古いテクノロジー製品を専門に扱うブレッカー氏のオークションハウスは、2013年に別のアップル1が51万6000ユーロ(約6400万円)で落札された競売にも携わった。

 20日に落札されたアップル1を所有していたのは、米カリフォルニア(California)州在住のエンジニア、ジョン・J・ドライデン(John J. Dryden)さん。1976年に購入した当時のレシートと取り扱い説明書などは今もあるという。

 ドライデンさんは、アップル1を手放すのはとてもつらいが、長く使っていなかったし、その時が来たのだと語った。

 ジョブズ氏とスティーブ・ウォズニアック(Steve Wozniak)氏が共同開発したアップル1は約200台が製造された。

 20日の落札者は古いコンピューターを収集しているドイツ人エンジニアだった。(c)AFP