■「間違ったアドバイス、間違った人間」

 無料でセミナーを開いているというフェアチャイルド氏は、「経験豊富な有名選手の案件を扱う中で、かなりの割合で遭遇するのは、彼らは相当な収入があるにもかかわらず、思ったよりも財政管理をきちんと行っていないということです」と明かした。

「問題の表面を掘り下げてみると、たくさんの理由が判明しました。それは選手たちが間違ったアドバイスを受け、間違った動機で近づいてくる間違った人間と関わっているのです」

 2部のレイトン・オリエント(Leyton Orient)からイングランド・フットボールリーグ1(3部)のボルトン・ワンダラーズ(Bolton Wanderers)を経て、新たにQPRと一年契約に合意したフィニーも、フェアチャイルド氏の話に同調する。

 会計士の母親に税金問題を任せているというフィニーは、「僕は比較的頭が柔らかい人間で、誰もが他人から金を稼ぎたがるくせに、多くの人間が金を手放したがらないことは理解できる」とすると、「自分に近づいてくる人間はいる。そして素晴らしい口説き文句の『セールスマン』が近づいてきて、お金を失ってしまった人間のことも知っている。いつでも目を見開いておく必要があるんだ」と語った。

 フェアチャイルド氏は、スポーツ界で起きているぞっとするような例はいくらでもあると述べる一方で、全員がお先真っ暗というわけではないと強調している。

 1999年のマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)でチームの三冠達成に貢献したメンバーで、ギャンブルで財産を失い税金が支払えなくなっている元選手は、その言い訳として、自分は週給6万ポンド(約750万円)でクラブ内では低所得者だったとしている。その一方で、現役を引退したばかりの元イングランド代表の人物が、キャリアを過ごす中で素晴らしい不動産ポートフォリオを構築した例もあるという。

 フィニーにとっては信頼できる専門家を探し、これから自分が稼ぐ資産を運用してもらうことが重要になる。

「資産運用を任せている専門家には、事前に経歴を尋ねたよ。相手に敬意を欠かないようにね。他人の財産を運用した実務経験がなかったり、こちらが求めているサービスを理解できなかったりするような人物に、自分のお金は任せられない」と語った。

「それでも、このセッションは役に立つと思う。彼らは第三者であり、サッカーや政治とは無関係の独立した立場にいるからね」 (c)AFP/Pirate IRWIN